雨怪 Amekai

離島住みの怪談好きの創作

僕と犬の因縁

こんばんは、通り雨です。

幼い頃から僕は犬に好かれません。

僕自身は犬のことが好きなのですが、今まで出会った犬たちの中で僕に対して好意的な犬はとても少ないです。

大抵の犬には背を向けられてしまいます。

近所の人懐っこいことで有名な犬には親の仇のごとく吠えられ、噛みつかれそうになる始末。

「なんか、犬に好かれないんだよね」

と母に一度話したことがあるのですが、その時にこんな話を聞きました。

母は僕が幼い頃に、同じ夢をよく見ていたそうです。


夢の中で母は近所の公園の隅に立っていて、ブランコで一人遊んでいる僕を遠くから見ているそうです。

すると近くの茂みから一匹の犬が現れて、僕のことを追いかけるのだそうです。

その犬はどんな犬だったのか?と聞くと

皮膚の無い、体の表面が真っ赤に染まった犬。

だったそうです。

その犬は僕に着かず離れずの距離を維持したまま、僕のことを追い回すのだそうです。

母はその夢の中では体を動かすことが出来ず、必死で僕に向かって「逃げろ!逃げろ!」

と叫び続けることしかできないそうです。

しばらくすると僕の体力がつき、へたれこんだ所に犬が飛びかかる瞬間いつも夢から目覚めるそうです。

「お前と犬は、何かあるのかもね・・・・・・」

過去に僕が急性アルコール中毒で倒れた時に現れた死神のような存在の話を書きましたが、それも犬のような姿をしていました。

犬と僕には、何かしらの因縁があるのかもしれません・・・・・・

では、また。